ドイツで見た子ども用の鉛筆は、全製品、軸が三角柱でした。六角柱でも、円柱でもありません。おそらく、偶然ではないと思います。
子ども用の万年筆やボールペンには、3本の指(人差し指、親指、中指)の位置を教えるくぼみが付いていました。万年筆やボールペンは、削りませんから、くぼみがなくなってしまうことがありません。だから、万年筆やボールペンの軸は、三角柱でなくともよいのです。
しかし、鉛筆は削る必要がありますので、指の位置を教えるために、くぼみの代わりに、軸を三角柱にしたのでしょう。これなら、削っても削ってもなくなることはありません。
セット品ですと、軸が三角柱でも、細めです(⑦)。
しかし、単品では、軸は三角柱。加えて、その他に各社それぞれの工夫が施されています。
たとえば、LAMY社製品(①②)では、くぼみはなく、3歳以上用、4歳以上用、6歳用に分かれています。6歳用に比較して、3歳以上用は軸も芯も太め、軸短め。同じく、4歳以上用は軸が太めです。
また、FSBEF-CASTELL社製品(⑤)では、小さいドットが突出していて、滑り止め効果が期待できます。
STADTLER社製品(⑥)やLAMY社製品(①②)は、くぼみや突起物がない代わりに、軸に滑り止め用のコーティングが施されている感触があります。
つまり、どの製品にも、手指の巧緻性や力の弱い子どもがしっかり把持できるような工夫が見えます。発色やデザインでも、子どもに媚びたところがありません。
初めて使うとしたら、どれにしますか。
ペンケースに付属している色鉛筆を使うか、単品のこちらを選ぶか。
太いほう(①)は4歳以上用の表示、
細いほう(②)は6歳用の表示。
③は、長崎大学の学生も使用しているアートドットの鉛筆
(http://shoshitsu.com/drawer.html)。
LARA社製品。①とほぼ同等の太さ。
④(STABILO社製品)については、「リポート⑤」
(http://shoshitsu.com/germ05D.pdf) を参照。
⑦は、テントウムシのペンケースにセットされている黒鉛筆
(http://shoshitsu.com/germ03B.pdf)。
②よりも細身。